パスタ・アッラ・グリーチャ 

 昨秋のローマ旅行覚書です。

イタリア各州でもっとも特徴が現れるのはプリモ(一皿目)料理ではないかと思う。

さて北部ではあまり(ほとんど)メニューに見かけない「パスタ・アッラ・グリーチャ」なるベーコン入りのパスタは知る人ぞ知るローマ地方代表的なプリモがある。

作り方は、茹でたてパスタを炒ったベーコン(グリーチャ)と削りペコリーノをたっぷり、黒コショウをたっぷりふるといたってシンプルなもの。

ペコリーノ・チーズはローマ近郊(以南?)でパルメッジャーノの代わりに削っても食べられるコクのある熟成チーズ。臭いも独特で好みもあるのだが、こってり感がたまらない。

偶然入ったオステリアは、ペコリーノチーズを使ったカルボナーラ・ショートパスタに近い印象でしたが、「カチョ・エ・ペペ」の子「アマトリチャーナ」の父と言われているそう、なるほどね。

今ではイタリア=トマトなのであるが、トマトソースのスパゲティは遡ること18世紀頃からののこと、北部ではもっとごく最近になってから食習慣のひとつに加えられた野菜、少し高齢イタリア人なら実は知ってることなのだ。

「パスタ・アッラ・グリーチャ」はトマトがヨーロッパに伝わるずっと以前に、ラツィオ州の羊飼いによってみじかな食材(ベーコンとペコリーノチーズ)で作ったのが最初とも言われている。シンプルでも栄養たっぷりだから、そう言われればこれは納得するかも。

しかし驚いたのは、オステリアでのたっぷりのパスタの量である。古い映画でよく出てくる山盛りのトマトソース・スパゲティを食べるステレオタイプのイタリア人がよく登場するが、これは決して作り話ではなかったのだ、きっと。



あるところでは「150グラムかな」と普通の顔で言われたのにはびっくり。もちろん今、ちょっと”オシャレ”とか”高級”とかと言われるところなら、その4分の1くらいだろうが、昔ながらのイタリア風があったことにちょっと感激した。

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